Eireann the 3rd Editionプレ・ストーリー
『それは、いつかの午後』(前編)
◆プロローグ
GM:それでは、アッシュのオープニングから。…それは、激しい戦いだった。 アッシュ:は?(困惑) GM:アッシュは宿曜会の依頼で1人の魔法使いを追っていました。そしてついにそいつのアジトを突き止め、追い詰めたところです。 一輝:これでもかってくらいのホットスタート(笑) アッシュ:ホットスタート過ぎるわ! GM/魔法使い:黒い外套の魔法使いは、追い詰められながらも 「ふっふっふっ」と不敵な笑み。「なかなかやるではないか。だがここまでだ!」…そう言って懐から一本の杖を取り出します。ですがその杖っていうのが…何か結構細かい彫刻が施された立派な杖で、それが外套の内ポケットに引っかかって「…あ、あれ?くそ、取れろ!こらっ!」(一同爆笑) アッシュ:付き合ってられねー(笑)そいつを叩き落とす。判定は? GM/魔法使い:いや、いらない。アッシュが放った光の矢は魔法使いの外套を貫き、その手から杖を叩き落とします。「くっ!…貴様ぁ!」(一同爆笑) アッシュ:なんだかなー(笑) GM:んで、叩き落された杖はそのままカラカラと床の上を転がって、たまたま開いてたダストシュートにスカンと落っこちてしまいます。 晶 :あ(笑) GM:魔法使いも「あ」と固まります。( ゚д゚)…。( ゚д゚ )…。って感じに。 アッシュ:こっち見んなw GM:そんで切り札を失った彼はその後アッシュにボコボコにぶちのめされ、駆けつけた宿曜会の若い衆によって、めでたくお縄とあいなりました(笑) 「なかなかの手並みだな、アッシュよ」その若い衆に混じって、一人の老人がご機嫌に笑います。 アッシュ:「なんだ、源じぃも来てたのか」…もしかして、この件の依頼主って源じぃ? GM/源じぃ:そう。この魔法使いはある名家の倉庫から高価な魔道具を盗み出した男でね。宿曜会で指名手配になってたんだ。それで、源じぃから君に話が回って来たわけ。 アッシュ:なるほどな。 GM:…と、君らが話していると、若い衆の一人が報告に来ます。「蓮沼さま、盗難にあった魔道具の回収、大筋終わりました。ですが…杖が一本」 アッシュ:「杖?」 GM/源じぃ:「魔道具の名工『二ノ宮 蔵式』作の杖だ。数千万は下らぬ一品じゃよ」と源じぃ。 アッシュ:…げ。まさか。「な、なぁ、源じぃ。その杖ってもしかしてこう…細かい装飾が施してある、結構立派そうなものか?」 GM/源じぃ:「なんじゃ、心当たりがあるのか?」 アッシュ:「あ、いや…あるような無いような…(焦)」やっべ、 さっき俺が叩き落としたアレか!(笑)「こ、心当たりはあるんだけど…。あ、そ、そうだ。後からそっちに持ってくよ」 GM/源じぃ:「そうか。まあ、分かっているとは思うが、うかつに扱うものではないのでな、気をつけてな」 んじゃ、源じぃは若い衆をまとめて撤収して行きます。さて、どうする? アッシュ:俺は…ダストシュートの行き先を調べてみるか。 GM:OK。まぁ、見取り図が見つかるから特に苦労しなくても行き先は分かる。どうやら地下の下水道に繋がってるみたいだよ。 アッシュ:俺もダストシュートから直接行く…のは無理か(足しか入らない)こりゃ、どっか入り口を探さなきゃダメかな〜〜(溜息)
◆ 一輝と喫茶と叫び声
GM:それじゃあ次は一輝と晶のオープニングだ。二人は久しぶりに、高校時代によく通っていた喫茶店に来ています。 一輝:ここの喫茶店のマスターってどんな人? GM:えっとね、結構お歳を召した方だよ。こないだ2人目の孫が生まれたらしい。 一輝:そうなんだ。それじゃあ「マスターさん、久しぶりです」 GM/マスター:「お、一輝に晶ちゃんか、久しぶりだな」 晶 :「お久しぶりです。(ペコッ)」 一輝:「(座りつつ)マスターもお変わりないですね。あ、僕はコーヒーで。晶は?」 晶 :「それじゃあ私はレモンティーください」 GM/マスター:「了解。(作りつつ)どうだい、あの頃の連中は、みんな仲良くやってるのかい?」 一輝:「ええ、まぁ。アッシュとは今も時々会いますよ。圭介は街から出たから…なかなか連絡が取れないですけど」 GM/マスター:「そうか。一輝と晶は、それぞれ専門学校だったかな?」 晶 :「はい。私は看護学校に行ってます」 一輝:「僕は工学系の専門学校に」 GM/マスター:「そうか。じゃあ晶ちゃんは将来看護士さんになるんじゃな。一輝のほうは技術職か。何にせよ立派なもんだ」 晶 :(照) 一輝:「ん…。でも、どうなんだろう実際」 GM/マスター:「ん?」 一輝:「いや…何て言うのかな。圭介とかアッシュを見てると、たまに二人の生き方が羨ましいって思う事があるんですよね。僕が専門学校に進んだのは単に機械いじりが少し得意だったってだけで、二人みたいに本当に自分のやりたい事を選んで生きてきたのかな…って」 GM/マスター:「…なるほどな。若者らしい悩みだな」 アッシュ:プレイヤー的に言えば、アッシュはそこまで考えて生きてないと思うけどな(笑) 一輝:まぁね(笑) 晶 :「でも…いっちゃんはいっちゃんだもん。何処にいても何をしてても、それは変わらないよ?」 一輝:「ん。ありがと(微笑)…僕も本当はちゃんと分かってるんだ。だから悩みって言うより単なる愚痴なんだけどね。ごめんね、変な事言って」 GM/マスター:「そうだな……(しばらく考え込んで)……一輝、私はね、人間には2つの種類がいると思うんだ。一つはどんな困難もものともせず、自分の可能性を切り開いていくタイプ。アッシュなどはその典型だろうな。圭介も昔は違うかと思っていたが…街を出て行ったあたり、案外そういう所があったのかも知れん。 そしてもう一つは、自分の世界を自分で定めて、その中で日々を送っていくタイプだ。前者を旅人だとするなら、こっちは「日常」を作っていくタイプ…とでも言うかな」 一輝:「…日常を?」 GM/マスター:「そう。彼らは確かに何かを成し遂げるとか、世界を広げていくような事はしない。同じような日々を同じように繰り返し、その中でありふれた幸せや悩みを抱えて生きていくんだ。そうして積み上げた「日常」を、身近な誰かと分かち合いながらね。…私はね、晶ちゃんやお前はこのタイプだと思うんだ。確かにお前も男だから自由な生き方に憧れるのも分かる。だがこの場所で生きて、ただ一生懸命に生きて、そうして築いた「日常」で誰かを守り、また守られながら生きていくのも、きっと同じように尊いはずだよ」 一輝:「…なるほど」 晶 :(ちょっと感動している) GM/マスター:「まぁ、年寄りの言葉と思って聞いてくれ」マスターは照れ臭そうに鼻をかきます。…ふぅ、長い台詞は疲れるね(笑) 一輝:いや、いい話を聞かせてもらいました(笑) GM:そうかい(笑)じゃあそんな所で、一輝と晶は店の中に自分達しかお客がいない事に気付いて下さい。 アッシュ:やっと本筋か?(笑) 一輝:「…そういえば、今日はお客さんが少ないんですね。この時間は学生が多いと思ったのに」 GM/マスター:「…」きっかり5秒ほど黙って、マスターは話し始めます。「それがね、最近ここら辺で変な噂が立っていてね」 晶 :噂? GM/マスター:「なんでも夕方から夜にかけて、どこからともなく不気味な唸り声が聞こえるってね」 一輝:「本当ですか?」 GM/マスター:「ああ。まぁ、別に実害が出ている訳ではないんだが…それで最近は学生達も早めに帰ってるんだよ」 晶 :「そうだったんだ。久しぶりにこっちの地区に来たから知らなかったよ」 GM/マスター:「…まあ、それでなくても最近お客さんも少なくなって来てたしね。ちょうど良い頃合なのかなとは思っていたんだけどね」 一輝:「ちょうどいい?」 GM/マスター:「ああ。実はね、この店もそろそろ畳もうかと思っていたんだよ」 一同:え〜!!? GM/マスター:「私もそろそろ年だしね。…それに、息子夫婦が一緒に住まないかって言ってくれてね」 一輝:「そう、なんですか…」 晶 :「なんか寂しくなるね…」 GM/マスター:「ありがとう。そう言ってもらえると、今まで頑張ってきたかいがあるよ」そう言って、マスターは柔らかく微笑みます。
アッシュ:…さて、そんじゃそろそろ合流すっか。二人が喫茶店から帰るあたりで、ナナセ姉から借りた車を歩道につける。「よーっす。お二人さん」 晶 :「あ、アッシュ。久しぶりだね」 アッシュ:「うっす。ところで、お前らなんでこっち歩いてたんだ?こっちは帰り道じゃねぇだろ?」 晶 :「うん、久しぶりにこっち歩こうかって、いっちゃんが」 一輝:「アッシュ覚えてる?高校の時によく言った喫茶店。あそこに行ってきたんだ」 アッシュ:「おうおう、そういえばよく行ったな〜。で、あそこのおっちゃんどうだった?」 一輝:「それが…」ここでさっきの話を説明します。 アッシュ:「…そっか、なんか寂しくなるな」 晶 :「そういえばアッシュはどうしたの。こっちで仕事?」 アッシュ:「おう。ちょいと仕事でポカやっちまって。これから下水に潜らなきゃなんねーんだわ。…なあ、二人とも。ちょっと俺を手伝う気ナイ?」 一輝:「僕は時間が空いてる時ならいいけど。晶はどうする?」 晶 :「いっちゃんがいいなら、私も平気」 アッシュ:相変わらず仲いいねお前ら。ま、話が早くて助かるけど(笑)
GM:と言うことで、3人は裏路地の適当なマンホールにでも到着したという事で。では、そこで三人とも【知覚】判定を行って下さい。必要コストは[風]で、目標値は2つね。 一輝:(ころころ)…ひ、1つ。 アッシュ:(ころころ)俺は4つあり! 晶 :わたしも1つだった。アッシュだけが成功? GM:じゃあ、車を降りた瞬間に地下から『ぐるぅぅぅぅ…』って感じの唸り声が聞こえてきます。しかもアッシュはその声を聞いた瞬間、なぜか特殊な叫び声を上げるドラゴンの事が思い出されます(笑) アッシュ:ドラゴン!? 晶 :「ねぇ、いっちゃん。もしかしてさっきマスターさんが話してたのって…」 一輝:「うん。こんな偶然ってあるんだね(笑)」…で、どうするアッシュ。ここに潜るの? アッシュ:「ま、まあ別に道具を回収するだけだから、ドラゴンと会ったら逃げていいわけだし…」 GM:するとまた唸り声が上がります。 アッシュ:「……」 一輝:「……」 晶 :「と、とりあえず、もう少しこの叫び声の主のことを調べたほうがいいんじゃないかな?」 アッシュ:「晶、ナイス」そういう訳で、この唸り声を携帯に録音しとこう。GM、この声の主について調べるには「魔物知識」の判定か? GM:そうだね。でも今のところ唸り声しか手がかりが無いので、ここで判定するとなると少し難易度上乗せさせてもらうけど。 晶 :でも、私のコミュニティもいっちゃんのコミュニティも、こういうのはあまり得意じゃないよ? 一輝:「魔物知識」が高いのは「妖精赤十字」か…。千早がいればね(笑) アッシュ:「そこは俺が調べるか〜。お前らも、できる範囲でいいから情報集めてみてくれないか」あ、ちゃんと送っては行くからよ(苦笑) 一輝:「…なんか、結構大変になってきたな(引きつり笑)」 |
キャラ紹介
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◆蓮沼家にて
GM:では、一輝と晶をそれぞれ家に送った後、アッシュはいつも通り蓮沼さん家に向かうでいいの? アッシュ:あんま行く気しないけどな〜。 GM:ではアッシュが蓮沼家に行くと、いつもの通りお手伝いさんが出てきて奥の間に通してもらえます。で、「源一郎様は宿曜会の会合のためお出かけになっておりますので、今日は小春さまが対応なさるそうです」 アッシュ:……っへ?(間抜けな返事) GM/小春:通された客間の奥には、かっちりと着物を着込んだ女の子がピシッと正座してます。蓮沼さんちの孫娘・小春ちゃんだね。小春はお手伝いさんに「お疲れ様です」と言って下がらせると、ぴしっと君を見据えます。「お久しぶりですね。本日は生憎お爺様がご不在ですので、私がご用件を承ります」 アッシュ:「ああ、うん」…やっぱ俺、コイツの事苦手だな…(笑)「あ、あのさ、悪いんだけど…ちょっとまた蔵の記録を見せてもらいたくてさ」 GM/小春:「また問題をお抱えに…」小春はそう言って眉を寄せます。 アッシュ:「俺だって抱えたくて抱えたわけじゃねぇっての」 GM/小春:「どういった事情で、何をお知りになりたいのか説明して頂けますか?」 アッシュ:「いや、それは…」さすがに紛失した盗品を探すのにドラゴンと戦うかも…とは言えんよな(笑) GM/小春:「全く、貴方という方は…」小春は大きく溜息をつきます。「分かりました。お好きになさったらよろしいでしょう」と言って、小春はお手伝いさんを呼んで蔵を開けるように命じます。 一輝:なんか…いつにも増して険悪だね。 アッシュ:「……」俺は、何も言わずに部屋を出よう。 GM:そんなこんなで蔵です。と言うか、アッシュはもう場所知ってるよね。今までにも何度か来てるから。 アッシュ:確かに(苦笑) 晶 :きっと小さいときは、この蔵の近くで仲良く遊んでたんだね。 GM:そうそう。その時はきっと小春もアッシュもすごく仲良かったんだよね。 一輝:それがどうしてこんな険悪になっちゃったんだろうね。 アッシュ:そんな事はいいから、サッサと判定しちまおうぜ。俺はここでコミュニティスキル【古き知恵蔵】の使用を宣言する。この叫び声っていう特徴から、ドラゴンの種類とか能力とか調べたい。 GM:了解。コミュニティスキル【古き知恵蔵】は、宿曜会に所蔵されている知識を生かして情報収集するスキルです。判定は「コア・コミュニティ判定」で行うので、君はダイス10個でコストロールを行った後、さらに任意の1個を水属性に変更できます。 一輝:…便利なスキルだよね。これって何でも調べられるって事だよね? GM:確かに。でも必ず「コア・コミュニティ判定」でやらなきゃならないのがネックかな。いちいち宿曜会を訪ねなきゃならないから、ダンジョンとか別な世界が舞台だととたんに使えなくなるって訳だ。これは「10plates!」のコミュニティスキルにも言える事だけど。 一輝:なるほどね。 GM:それと、あくまで「コア・コミュニティ判定」だから「魔物知識」のレベルは足せません。 アッシュ:まぁ、「魔物知識」は元から0だし。じゃあ(ころころ)…成功数3個。コア・コミュニティ判定の効果でさらに+1個されるんで、結果4個成功だ。 GM:おお。それなら「識別難度」をクリアしてるので、この魔物の能力が分かります(エネミー・データを見せつつ)叫び声を武器とするドラゴンの亜種「ロアー・ドラゴン」というやつね。 アッシュ:ちょ…(愕然)強くね?これ。 GM:さらに今回は、おまけでエネミーの特殊能力【Sクラフト所持】も乗せてみました。ソリタリアの『カオスフレイム』を使うから。 一同:ちょ!(笑) アッシュ:勝てねーってそれ。絶対無理! GM:えー?大丈夫大丈夫。バルログとかドラゴンに比べたら全然平気だって。それにほら、もうすぐ圭介(のプレイヤー)も来るから。4人がかりならどうにかなるって。 アッシュ:ホントかぁ? 晶 :なんか凄い事になってきたね…。 GM:さて、そんな所でアッシュが蔵の中で唸っているとね、こう…戸口のほうでギシッと床を踏む音がします。 アッシュ:! 誰だ! GM:すると、そこにいた小春ちゃんがビクッと身をすくめます。 アッシュ:「何だ、お前か…。何かしたのか?」 GM/小春:「いえ、その…」小春はちょっと言いずらそうに口ごもります。「その…調べ物は…もうお済みになったのですか?」 アッシュ:「あ、ああ世話になったな。じゃあもう遅いし帰るわ、じゃな」 GM/小春:「あの…」そこで、小春は君を呼び止めます。 「その…。差し出がましい事かもしれませんが、もしかしたらこの件はお爺様にお伝えしないほうが良いのかと…」 アッシュ:「へ?」 GM/小春:「いえ、あなたが理由も話さず蔵を開けさせるのは…何か余程の事情がおありなのかと…。い、いえ、違うならいいんです!どうかお気になさらずに」そして小春は早々に蔵に鍵をかけます。 アッシュ:「あーっと…」ちょっとリアクションに困るなこれは(笑) 一輝:なんか一気に空気が変わったね(笑) 晶 :いい子だねー。小春ちゃんって(笑) アッシュ:何つーかなぁ…。「お前…良いやつだな」と言いながら、小春の頭をくしゃくしゃってします。(一同苦笑) GM/小春:「なっ…な!!?(顔を赤くしながら)」 アッシュ:「それじゃ、悪いけどその方向で。源じぃの帰ってくる前に俺も帰るわ。じゃあな」と言ってその場を立ち去ります。 GM:じゃあ、そんなアッシュの背中を、彼女はいつまでも眺めていましたということで(笑)
圭介:うーす。遅れてごめーん。 アッシュ:来たー!!戦闘要員っ! 圭介:へ? GM:気にしないで。さ、早く参加して。 圭介:へ…あ、ああ。えっと… GM:では圭介が久しぶりに街に帰って来て夜遅くにちょっと街を歩いていると…。 アッシュ:俺が車で登場する。「お〜い、圭介―!!」 圭介:いきなりだな。 アッシュ:車を止めるぜ「(一息に)いいところに居たお前に折り入って頼みたいことがあるんだ!さあのってくれなにお前だけじゃなく一輝も晶も手伝ってくれるから気にするな!!!」 圭介:「???」 アッシュ:「実は俺が仕事をしくっちまってな。マジックアイテムを取りに行かなきゃいけないんだけど、そこにロアー・ドラゴンとか言うドラゴンがいるみたいなんだ」 圭介:「…それ、それぞれの組織に頼んで、もっと能力者かき集めたほうが良くないか?(汗)」 アッシュ:「それはどうしても避けたいんだ。な、頼むよ!」 圭介:「しょうがないなぁ…(苦笑)」
一輝:あ、ちょっと僕も『幸運の風』に行きたいんだけど、いい? GM:うん。それじゃあ一輝は幸運の風の…「サザン・ウィンド」が入ってるビルに来ました。そしていつも通り、個室で管凪一片(かんなぎ ひとひら)先生が待ってます。 一輝:「失礼します。」 GM/一片:「あら、今日は定期の診察日じゃないと思ったけど。どうしたの一輝クン?」 一輝:「実はちょっと調べてることがあって。この泣き声なんですが…」携帯に録音した叫び声を聞かせるよ。「これってロアードラゴンっていう妖精の叫びらしいんですが、何か分かりませんか?」 GM/一片:「う〜ん…っていうか、一輝クンてば、なんでドラゴンなんて調べてるの?」 一輝:「いや…ちょっと色々あって(苦笑)…どうですか?」 GM/一片:「そうね…。うちは魔物は専門外だから詳しい事は分からないわ。魔力を宿した叫び声を武器とするってぐらいかしら」 一輝:「そうですか…」まぁ、やっぱりそんなもんかな。 GM:さすがにね。 一輝:「分かりました。じゃあ、そっちはいいです。実は、それとは別に…今日はちょっと先生に相談したいことがありまして…」 GM/一片:「ん?」 一輝:「実は…(GMに耳打ち)」 一同:?? GM/一片:―――それは面白いよ!(素で)じゃあ一片は「でも、そんなに簡単に決めちゃっていいの?」と聞きます。 一輝:「今の気持ちが一番大切な気がして…」 GM/一片:「わかったわ。じゃ、それに関係する事は調べておくわね」 アッシュ:何何? 一輝:今は内緒(笑)詳しくは、エンディングでって事で。 圭介:ふーん? |
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◆ダンジョン探索
GM:さて、それでは翌日です。君達は例のマンホールの場所にやってきました。 圭介:例の唸り声とやらは? GM:今日もバッチリ聞こえます。ただアッシュ、一輝、晶の3人は、何となくだけど昨日より「遠い」ような気がしないでもありません。 晶 :遠い? 一輝:もしかして、ちょっと奥のほうに移動したとかかな。 GM:どうでしょう。では、順番に降りて下さい。
(間)
GM:下水は、まー言うまでも無いけど凄い臭いです。 アッシュ:「うえっぷ」鼻を押さえる。 晶 :「凄い臭いだね…」 アッシュ:あ、やべ。そう言えば明かり用意して来るの忘れた。 GM:んなもん適当に懐中電灯でも持って来た事にしていいよ。最近じゃコンビニでも売ってるとこあるし。 圭介:現代が舞台だと便利だよね、そういうの(笑) GM:さて、君達がそうして辺りを見回しているとだね、暗闇の奥のほうから「ぐるるぅぅぅ…」という唸り声が聞こえます。 アッシュ:ちなみに、例のダストシュートがある場所と方向的には一緒? GM:一緒。 アッシュ:やっぱそんな上手くはいかねーか。 圭介:まぁ、そーだろうね(笑) GM:じゃあ、唸り声の咆哮に進むでいい?…さて、それじゃあねぇ…(と言ってトランプを取り出す) アッシュ:うお、来た――――――ッ!?(笑) 圭介:ダンジョンか。 GM:ええ。まぁ想像通りと言うか何と言うか、皆さんが進んでいく先で徐々に空間が歪んでまして。気がついたら、見た目は下水なんだけど、明らかにこう…うにゃうにゃと歪んだ場所に入り込んでおりました。という訳でここからダンジョンが始まります。(楽しそうにカードを切る) 晶 :ダンジョンって、どんなふうに判定するんでしたっけ。 GM:ん。まず、このダンジョンの探索レベルを教えておこうか。探索レベルっていうのは…まぁダンジョンの深さとか複雑さを表す数字で、今回は「26」とさせてもらいました。 アッシュ:26か。中規模? GM:ですね。んで、皆さんにはこれから何回か「ダンジョン探索」の判定をしてもらいます。そしてその成功数が累積で「26」を超えたとき、皆さんはこのダンジョンをクリアして目的地に到達した事になります。 一輝:これって特殊技能のレベルが0でも判定はできるんだよね? GM:そうです。と言うか、特殊技能は全部そう。 圭介:「ダンジョン探索」のレベルが高いのは…。 晶 :私、レベル1持ってるよ。 アッシュ:おお、でかしたっ!(笑) GM:晶が所属する「アリスカンパニー」はウサギの穴を研究してるコミュニティだから、こういう異界じみた場所の探索に慣れてるって事なんだろうね。 ではでは。早速、一回目の判定をして頂きましょうか。 アッシュ:これって普通の判定ん時みたいにE+は使えんの? GM:使えるよ。 アッシュ:んじゃ全員E+使ってさ、一人あたま6〜7個の成功数を出せば一発の判定でクリアできんじゃね? GM:もちろんそれでも構わないよ。ただ3rd EditionではE+は戦闘でも結構重要な用途があるんで、奥に明らかに強敵が控えてるこの状態で、E+をどう使っていくかは皆さんの判断に御任せします。 アッシュ:…とりあえず普通に振るか。 一輝:だね(笑) GM:OK?では、栄えある一発目の「ダンジョン探索」の判定をどうぞ。 一同:(ころころ…) 晶 :3個出ました。 一輝:僕も3個出た。 圭介:2個。 アッシュ:こっちも光込み2個だ。 GM:合計で10個だね。では、ダンジョンの探索レベルが10点減少します。
GM:そして、ここでイベントデッキから1枚引いて下さい。 アッシュ:じゃあ俺が(引いた)…クラブの5、だって。 GM:えーっと、クラブの5は…「トラップイベント」の「トリガー」が発生しました。『そこは、侵入者の存在を感知するトラップ(鳴子、赤外線感知器、踏むと悲鳴を上げる植物など)に覆われた通路です。PC一人が難易度3の「トラップ回避」の判定を行い、失敗した場合、即座にイベントデッキを1枚引いて下さい。それが【トラップイベント】のとき、「トラップ回避」に失敗した時のイベントが発生します』」 一輝:なぜ下水道にこんなものが…(笑) アッシュ:トラップを誘発するトラップってやつ? 圭介:難易度3か。結構厳しいな…。誰か、「トラップ回避」の高い人っている? 晶 :私、レベル2だけど…。 アッシュ:おお、じゃあ晶、これからトラップ解除要員な。 晶 :ちょっと不安だなぁ…。 一輝:大丈夫だよ。それに、もし失敗しても晶の責任じゃないから。 アッシュ:それに、仮に失敗しても次引いたカードがトラップじゃなきゃいいんだろ?大丈夫大丈夫。 圭介:頑張って。 晶 :…うん。じゃ、やってみるね。(ころころ…)ううう―――――――っ、ごめん〜〜〜。1個しか出ないよ(泣)」 GM:振りなおす? アッシュ:いや、いいよ。振りなおしても出なかったら悲惨だし。カード引いてトラップじゃなけりゃいいんだから。 一輝:まぁ、そうだね。 GM:(このシステム、トラップ引く可能性が一番高いんだけど…。まぁ、言わないでおこうか。)じゃあ、デッキから一枚引いて下さい。どれ引いてもいいよ(カードを扇状に広げて。) 圭介:じゃあここはアッシュが。頑張ってトラップ以外を引いてくれ(笑) アッシュ:ん〜〜〜〜。これ!(と1枚引く)…えーっと、またクラブだ。クラブの8! GM:クラブの8…おめでとう!(笑) アッシュ:へっ? GM:トラップイベント「陥没」が発生しました。君達の足元で突然地面がバコッ!と開き、君達は成す術も無くそこに飲み込まれてしまいます。 アッシュ:ノォ―――――ッ!! 一輝:な、なんで下水道にこんな仕掛けが…(落下しながら苦笑)
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