=======================================
戦闘ルール

=======================================

-----------------------------
戦闘の流れ
-----------------------------
 『千夜月姫』のセッションにおいて戦闘というのは欠かすことのできない要素である。戦闘の開始をGMが宣言することで、セッションはラウンドと呼ばれるゲーム内時間単位で処理されることになる。通常のシーン進行と区別するために、これをラウンド進行と呼ぶ。ラウンドは一定の手順にしたがって進行していく。

ラウンド
 戦闘はラウンドと呼ばれるゲーム内時間単位で処理される。ひとつのラウンドは次の4つのプロセスで構成される。ラウンドはそのラウンド進行に参加しているキャラクターすべてがアクションを行なうまで持続する。ラウンド進行中にゲーム内での時間経過が必要であれば、1ラウンドはおおよそ1分とするとよいだろう。むろん、必要があれば1分間より長くても、短くてもよい。

シーンとラウンド
 シーン進行からラウンド進行に切り替わっても、シーンが自動的に終了するわけではない。同様に、戦闘が終了してもシーンを自動的に終了させる必要はない。

ラウンド進行の開始と終了
 ラウンド進行の開始はGMが宣言する。戦闘であるのなら、GMが戦闘状態に入ったと判断し、ラウンド進行の開始を宣言して初めて開始される。
 ラウンド進行はGMが終了を宣言するまで自動的に継続する。GMは、ラウンドの途中でもラウンド進行の終了を告知してそのラウンドを切り上げてしまってもよい。
 これまでのラウンド中にキャラクターが受けてしまったバッドステータスや特技の効果などの処理は、最後のクリンナッププロセスで行なう。これらの効果はラウンド進行の終了と同時に終了するものとする。
 ただし、GMはシナリオや演出の都合に合わせてバッドステータスから回復しないことにしてもよい。また、ラウンドの終了時に、まだメインプロセスを行なっていないキャラクターが存在していた場合、GMが許可すればメインプロセスを行なってもよい。

キャラクターの状態

 戦闘に参加するキャラクターは、常に以下の5つのいずれかの状態にある。

 

▼未行動状態

 行動カウントが1以上で、[待機状態]でないキャラクターは常に未行動状態である。

 

▼待機状態

 代償として「待機ラグ」を支払ったキャラクターがなる、いわゆる呪文の詠唱や「溜め」を行っている状態。

 詳しくは「攻撃」の項を参照。


行動完了状態
 行動カウントが0以下になったキャラクターがなる。以後、能動的な行動を行うことができない。

戦闘不能
 戦闘不能は、キャラクターが戦闘を継続できなくなった状態を表わす。戦闘不能になったら、戦闘不能が回復されるまで一切の判定、およびアクションが行なえない。

死亡
 死亡したキャラクターは、ゲームから除外される。死んだキャラクターの冥福を祈って新しいキャラクターを作成すること。

 

-----------------------------
ラウンド進行
-----------------------------
 それでは、ラウンド進行の詳細な手順、各プロセスのルールと解説を行なっていく。

セットアッププロセス
 GMは新しいラウンドの開始を宣言し、シーンに存在するキャラクターを確認する。

登場判定
 シーンに新たに登場するキャラクターがいる場合、登場する。

 
未行動
 シーンに登場しているすべてのキャラクターは未行動になる。

 
特技の使用
 特技のなかには、セットアッププロセスに行動や使用を宣言するものがある。複数のキャラクターが宣言する場合は【行動値】の高いキャラクターから順に宣言し、処理を行うこと。

 
▼行動カウントの決定

 戦闘に参加する全てのキャラクターは、行動カウントを決定する。

 行動カウントは、【行動】+2D6で求める。

 

イニシアチブプロセス
 [未行動状態]か[待機状態]のキャラクターの中で、誰が次のメインプロセスでアクションを行なうかを決定するプロセス。もっとも[行動カウント]の高いキャラクターがアクションを行なう。
 もっとも[行動カウント]の高いキャラクターが複数存在する場合は、PC、NPCの順番でアクションを行なうこと。PC同士で[行動カウント]が同じなら、GMが決定する。
 もし、すべてのキャラクターが[行動完了状態]であれば、クリンナッププロセスに移る。

メインプロセス
 イニシアチブプロセスで決定されたキャラクターがアクションを行なう。


行動を遅らせる
 プレイヤーは望むのであればメインプロセスを行なわず、行動を遅らせることができる。行動を遅らせる場合、キャラクターは自分の[行動カウント]を好きなだけ減少すること。
 このとき、[行動カウント]を0にすることもできる。0にした場合、キャラクターは[行動完了状態]になる。自らそのラウンドの行動を放棄した事になるのだ。
 なお、行動を遅らせた場合、メインプロセスを行ったもとのは考えない(そこからさらに行動カウントを10減少させることはない。)


アクション
 キャラクターがメインプロセスに行なえる、攻撃や特技の使用などの能動的な行為のことをアクションと呼ぶ。

アクションを行なうと、キャラクターは[行動カウント]を10減少し、[未行動状態]になる。ただし[行動カウント]が0以下になった場合、キャラクターは[行動完了状態]になる。
 

アクションに該当する行動

 
全力移動
 キャラクターは自身の行動を阻害することなく10mまで移動できる。これを超えて移動したい場合は[全力移動]となる。

 

攻撃
 武器や特技などを使って、敵にダメージを与える。「攻撃と防御」の項を参照。

 
特技の使用
 使用タイミングがアクションとなっている特技を使用する。

 
所持品・装備品の使用
 使用にアクションを必要とする所持品や特別な効果を持つ装備品を使う。
 

とどめを刺す
 戦闘不能状態のキャラクターを死亡させる。
 

その他
 GMがアクションに相当すると考える行為、行動。

メインプロセスの終了
 メインプロセスが終了したら、アクションを行ったキャラクターの行動カウントを10点減少する。この結果、行動カウントが0以下になったキャラクターは[行動完了状態]となる。

 イニシアチブプロセスに戻り、戦闘を続行すること。

クリンナッププロセス
 クリンナッププロセスでは、ラウンドの終了にともなう処理を行なう。処理の順番は次のとおり。それらの処理が終わった後に、まだ戦闘が継続するならば次のラウンドのセットアッププロセスへ移行する。

バッドステータスの処理
 一部のバッドステータスの処理を行う。

 
特技の効果が終了する
 ラウンド終了まで効果が持続する特技の効果が終了する。
 

特技を使用する
 分類:クリンナップの特技を使用する。
 

その他
 GMが認めた行為、行動。

 

-----------------------------
攻撃と防御
-----------------------------
 敵にダメージを始めとしたさまざまな影響を与えようとする行為を攻撃と呼ぶ。
 これからその攻撃の方法や処理の仕方について解説する。

攻撃手順
 攻撃は次の6つのステップにしたがって対決として処理される。

攻撃宣言ステップ

 攻撃宣言ステップでは、以下の宣言を行う。

 

▼使用する「分類:攻撃タイプ」の特技の決定

 キャラクターは、自身が所持する「分類:攻撃タイプ」の特技の中から、どれを用いて攻撃を行うか決定する。

 一度に使用できる攻撃タイプは1つのみである。

 

▼攻撃対象の決定

 攻撃を行なうキャラクター(以降、これを攻撃側と呼ぶ)は適切な攻撃対象となるキャラクター(以降これを防御側と呼ぶ)を選択する必要がある。

 このとき攻撃側は、あわせて分類:オフェンスの特技の使用を宣言すること。(使用する特技によっては、複数の攻撃対象を選択できることもある。)
 GMは、宣言された攻撃が可能であることを確認すること。適切ではない場合は、そのことをプレイヤーに伝え、適切な対象について解説すること。

 

●待機ステップ

 攻撃宣言ステップで代償に「待機ラグ」を持つ特技を使用したキャラクターは、即座に自分の[行動カウント]を、使用した特技すべての待機ラグの合計ぶんだけ減少し[待機状態]となる。

 このとき、行動カウントが0以下になってもキャラクターは[行動完了状態]にならない。

 キャラクターが[待機状態]となったとき、メインプロセスは中断し、戦闘はイニシアチブプロセスに戻る。

 [待機状態]のキャラクターが再びメインプロセスを得たとき、次の「命中判定ステップ」から行うこと。

 [待機ラグ]の無い特技を使用した場合、待機ステップをとばして命中判定ステップに移行する。

 

命中判定ステップ
 攻撃側の行なった攻撃が当たるかどうかを決定する命中判定を行なうステップ。

このとき、使用する攻撃タイプが「分類:攻撃タイプ/白兵」のときは【白兵】で、「分類:攻撃タイプ/射撃」のときは【射撃】で命中判定を行うこと。

 「分類:攻撃タイプ/精神」のときは【精神】で命中判定を行うこと。

 

回避判定ステップ
 防御側は攻撃側の命中判定に引き続いてその攻撃を避けるために回避判定を行う。

 回避判定はすべてリアクションとして扱う。

 回避判定は、攻撃側が使用したのと同じ戦闘値を用いて行うこと。つまり攻撃側が【白兵】で命中判定を行ったとき、防御側も【白兵】で回避判定を行わなければならない。

 回避判定を行うとき、防御側は分類:ディフェンスの特技を使用できる。
 

防御判定ステップのクリティカル
 防御判定がクリティカルだった場合は、防御側が自動成功で勝利する。つまり、攻撃は外れる。攻撃側がクリティカルでも対応側優先の法則により防御側の勝利である。

命中決定ステップ
 攻撃側、および防御側の[達成値]を比べて攻撃が本当に命中したかどうかを確認する。攻撃側が勝利した場合は、ダメージロールステップに移行する。

ダメージロールステップ
 攻撃が命中したら、その攻撃でどれだけのダメージを与えることができたかどうかを決定する。それがダメージロールである。
 攻撃側は、使用した「分類:攻撃タイプ」の特技に従ってダメージを算出すること。このとき、使用した特技によってはダメージが増減することもある。

 

命中判定のクリティカル
 命中判定がクリティカルで成功していると、このダメージロールに+1D6の修正が与えられる。

実ダメージの算出と適用
 防御側は、攻撃側のダメージから自身の防御点を差し引いたものが1以上のとき、そのぶんだけ自分の[HP]を減少させること。この、防御側が実際に受けるダメージのことを実ダメージと呼ぶ。


実ダメージ後効果の処理
 攻撃側が使用した特技の中で、効果文に「実ダメ後効果」とあるものについては、実ダメージが発生したあとに効果を発揮する。

 効果文中の「対象」は、攻撃側の攻撃で実ダメージを負った対象全てを意味する。

 

待機状態のメリットとデメリット

 待機ラグのある特技を使用したキャラクターは[待機状態]となり、そのぶん行動カウントが減少する。これは呪文の詠唱や力を溜めるといった動作を行うために、隙が生じてしまうことを意味する。

 

▼待機状態のデメリット

 [待機状態]のキャラクターは、[実ダメージ]を受けると強制的に[未行動状態]になる(もしカウント値が0以下になっていた場合は[行動完了状態]になる。)つまり次にメインプロセスを得たとき、以前の続きからではなく「行動宣言ステップ」からやり直さなければならない。

 また、[待機状態]のキャラクターは分類:インタラプトの特技を使用できない。

 

▼待機状態のメリット

 [待機状態]のキャラクターは、[防御側]になったときにカウンターを宣言できる。

 

カウンターの手順
 カウンターは次の6つのステップにしたがって対決として処理される。

カウンター宣言ステップ

 [待機状態]のキャラクターは、[防御側]になったときカウンターを宣言できる。

 カウンターを宣言できるのは、1ラウンドにGM側PC側それぞれで1人のみである。

 カウンターを宣言したキャラクターは、[待機状態]になるときに使用を宣言した分類:攻撃タイプ及びオフェンスの特技を使用してカウンター判定を行う。ただし、攻撃対象を増やす効果の特技は使用できない。

 注意して欲しいのが、カウンターを宣言しても、キャラクターは依然として[防御側]であることだ。このため使用する特技の効果文中の[攻撃側]は[防御側]に、[防御側]は[攻撃側]に置き換えること。

 

●カウンター判定ステップ

 カウンター判定は、命中判定と同様に行う。

 使用する使用する攻撃タイプが「分類:攻撃タイプ/白兵」のときは【白兵】で、「分類:攻撃タイプ/射撃」のときは【射撃】で命中判定を行うこと。

 回避判定のように攻撃側と同じ戦闘値を用いるのではない事に注意。


カウンター決定ステップ
 攻撃側の命中判定、および防御側のカウンター判定の[達成値]
を比べる。

 攻撃側が勝利した場合は、通常の攻撃の処理と同様、攻撃側のダメージロールステップに移行する。

 防御側が勝利した場合、カウンターが成功したことになる。カウンターダメージ処理ステップに移行すること。

 双方の[達成値]が同値であるとき、行動完了ステップに移行する。

 

カウンターダメージ処理ステップ
 カウンターが成功した場合、攻撃側と防御側の攻撃が「相殺」したことになる。攻撃側と防御側双方が同時にダメージロールを行うこと。

 

カウンター判定のクリティカル
 カウンター判定がクリティカルで成功していると、このダメージロールに+1D6の修正が与えられる。

実ダメージの算出と適用
 攻撃側と防御側のダメージを比較し、小さいほうが以下の処理を行う。

  相手のダメージから自分のダメージと防御点を差し引く。この結果が1以上のとき、それを[実ダメージ]として、そのぶんだけ自分の[HP]を減少させること。

 ダメージが同値のときは行動完了ステップに移行する。


実ダメージ後効果の処理
 攻撃側、防御側が使用した特技の中で、効果文に「実ダメ後効果」とあるものについては、それぞれ相手に[実ダメージ]を与えたとき、与えた相手を[対象]として効果を発揮する。

 

●行動完了ステップ

 カウンターを行ったキャラクターは[行動完了状態]となる。

 

■カウンターに関する注釈

 特殊な処理を行う特技に関する注釈。

 

●「ダーク」を使用した場合

 攻撃側か防御側(もしくはその両方)がナイフ使いの特技「ダーク」を使用した場合の、カウンターダメージ処理ステップにおけるダメージ相殺の注釈。

  

▼攻撃側、防御側のいずれかが「ダーク」を使用した場合

 攻撃タイプとして「ダーク」を使用しているときは、複数回のダメージロールを行うなかで最も大きなダメージのみを使用する。(相手のダメージと相殺する。)

 例えば相手のダメージが20点のとき、ダークを6本使って出たダメージが6点・7点・5点・8点・7点・9点であった場合、一番大きな9点のみを相手のダメージから差し引くので、あなたが受けるダメージは11点(そこからさらに防御点を差し引いたもの)となる。

 

▼攻撃側と防御側が両方とも「ダーク」を使用した場合

 攻撃側と防御側の両方が「ダーク」を使用した場合、お互いにダメージロールを行った後、最も高いダメージから順に個別にダメージを相殺する。

 例えば攻撃側が3本のダークを使用しダメージが11点、9点、8点。防御側が同じく2本使用して14点、7点だった場合、以下のように処理すること。

攻撃側

防御側

結果

11点

14点

攻撃側に3点返る

9点

7点

防御側に2点抜ける

8点

 

防御側に8点抜ける

 

●「ツバメ返し」を使用した場合

 攻撃側か防御側(もしくはその両方)が剣士の特技「ツバメ返し」を使用した場合における注釈。

 

▼攻撃側、防御側のいずれかが「ツバメ返し」を使用した場合

 攻撃側が「ツバメ返し」を使用した場合、キャラクターは命中判定を2回(ないし3回)行い、この達成値をカウンター側の1回のカウンター判定の達成値と比較する。

 このとき、達成値が一回でも命中判定>カウンター判定ならば命中判定が成功したものとする。ただしダメージロールは、判定で攻撃側>カウンター側だっか回数ぶんしか行えない。

 防御側が「ツバメ返し」を使用した場合はこの逆に、達成値が一回でも命中判定<カウンター判定ならばカウンター判定が成功したものとする。ただしダメージロールは、判定で攻撃側<カウンター側だっか回数ぶんしか行えない。

  

攻撃側と防御側が両方とも「ツバメ返し」を使用した場合

 攻撃側と防御側の両方が「ツバメ返し」を使用した場合、カウンター判定ステップ、カウンター決定ステップを飛ばして、即座にカウンターダメージ処理ステップ に移る

 ダメージの相殺処理は、攻撃側と防御側が両方とも「ダーク」を使用した場合と同様に行うこと。

 

負傷とダウン、戦闘不能について
 キャラクターはダメージや特技の効果によって[実ダメージ]を受けることで[HP]が減少する。

 [HP]が0を下回ったとき、キャラクターは即座に[戦闘不能状態]になる。

 

戦闘不能状態

 キャラクターは、[HP]が0以下になることで[戦闘不能状態]となる。戦闘不能状態になったら、戦闘不能状態が回復されるまで一切の行動を行なえない。特に記載のあるものを除き、特技やアイテムなどを使用することもできない。

 戦闘不能状態が解除されたキャラクターは、その瞬間に[行動完了状態]となって戦闘に復帰する。なお、セットアッププロセスに解除された場合には、そのセットアッププロセスから戦闘に参加できる。

 

とどめを刺す
 [戦闘不能状態]のキャラクターに対して[とどめを刺す]ことをアクションとして宣言し、何らかの方法でダメージを与えると、キャラクターは死亡する。

死亡
 
死亡したキャラクターは、そのセッションが終了したときゲームから除外される。死んだキャラクターの冥福を祈って新しいキャラクターを作成すること。
 

●HPの回復

 HPは、HPを回復する効果を受ける事によって増加する。例えば「HPが10点回復する」という効果を受けたキャラクターは、HPが10点増加する。

 ただし[戦闘不能状態]か[死亡]したキャラクターは、HPを回復する効果を受け付けない。

 

▼HPの上限について

 HPは最大HPを越えて回復することはない。

 

■上限ダメージ
  特技などの効果で[上限ダメージ]を受けたキャラクターは、HPではなく最大HPを減少する。このとき、最大HPがHPを超えて減少した場合はHPの値を最大HPに合わせること。

 例えば最大HPが30点、HPが25点のところに10点の上限ダメージを受けた場合、最大HPが20点になるのと同時にHPも20点になる。

 [上限ダメージ]は、シナリオ終了時に全て回復する。 

  

バッドステータス
 戦闘中に特技やアイテムなどによってキャラクターは、不利な状態である[バッドステータス]になることがある。これらは、いくつも同時に与えられることがある。

バッドステータスの回復
 バッドステータスは、基本的に特技によって解除される。なお、バッドステータスが有効なのは戦闘(ラウンド進行)中のみである。戦闘が終了することで、バッドステータスはすべて回復する。

バッドステータス一覧
 バッドステータスは、特技やアイテムなどによってキャラクターに与えられる不利な状態を表わす。

 バッドステータスには次の5種類がある。なお、これら以外に特定の特技の効果によって発生(使用)されるバットステータスも存在する。各々、その効果文に従うこと。

 


 毒は、キャラクターの体内に何らかの異物が侵入している状態を表す。それは悪意を持ったエネルギー、他者の生命を蝕む異能の血、ないしそのものずばり「毒」でも構わない。毒を受けているキャラクターは、クリンナッププロセスのたびに1D点の実ダメージを受ける。

麻痺
 麻痺は、行動が遅くなるバットステータスである。何らかのプレッシャーを受けている、神経性の毒を盛られたなどの状態を表す。【行動値】が1になる。また、移動を宣言できない。

束縛
 束縛は、キャラクターの行動に何らかの阻害要因が働いていることを表す。何かにまとわりつかれているといった状態だ。束縛を受けているキャラクターは、全てのアクションとリアクションの達成値が−3される。

 

放心

 放心は、強いショックを受けたことなどが原因で意識が朦朧としていることを表す。放心を受けたキャラクターは、分類:常時を除く全ての特技を使用できない。放心は、[テンション値]を10点消費することで即座に回復できる。


洗礼
 洗礼は、それを受けたキャラクターが持つ背反律「死への転生」、特技「起源への覚醒:停止」、エネミーの特殊能力「この世ならざる者」の効果を失わせるバットステータスである。主に人外のキャラクターが持つこれらの特性に対して、「人間としての痛覚」を無理矢理思い出させるバットステータスというわけである。

 

 
-----------------------------
スポットルール
-----------------------------
 ここでは、戦闘の際に問題になりそうな細かいシチュエーションについて解説する。
 これらのルールは、そのシチュエーションになった場合に参照し、適用すればよいルールである。よってセッションの前に解説したりする必要はない。

 
カバーリング
 キャラクターは、他のキャラクターが攻撃を受けたとき、それをかばって自分がダメージを負うことができる。これが[カバーリング]である。

 [カバーリング]はダメージロールステップの直前に宣言すること。[カウンター]のカウンターダメージ処理ステップでは[カバーリング]は行えない。

 なお[行動完了状態]のキャラクターは[カバーリング]を行えない。

 また[カバーリング]を行ったキャラクターはその後[行動完了状態]になる。

 

■特技の効果に関する注釈

効果の重複
 同じ対象に対して、同じ特技を重ねて使用しても効果は重ならない。そのような場合、後から使用した特技のみが効果を発揮する。

 エネミーを召喚する効果の特技についても、この重複のルールが適用される。

 既に召喚されたエネミーがいるとき、同じキャラクターが同じ特技を使用しても、新たなエネミーが召喚されて以前に召喚されていたエネミーは破棄される。これは同じ特技で別のエネミーを召喚する場合も同じである。(既に人形遣いの「傀儡の兵士」の効果で「傀儡」を召喚していたところに、同じ「傀儡の兵士」を使用して「竜牙兵」を召喚すると、前に召喚していた「傀儡」が破棄されて「竜牙兵」だけが残る。)

 この重複のルールは、アイテムの効果についても適用される。

 
▼一対多の特技
 特技の中には、複数のキャラクターを対象とするものがある。複数のキャラクターが効果を同時に受ける場合、特技の使用者が1回だけ判定を行ない、その判定に対して対象となったキャラクターがそれぞれ[対決]を行なって個々に特技の効果が適用されるかどうかを決定する。
 また、複数のキャラクターが対象となった攻撃のダメージロールは、やはり1回だけ行ない、全員に同じダメージを適用する。

不意釘ち
 待ち伏せを受ける、寝込みを襲われるなど、予期しない状況で襲撃を受けた場合[不意打ち]が発生する。
 [不意打ち]された側は、最初のラウンドは自動的に[行動完了状態]となる。
 [不意打ち]によるアクションに対してリアクションを行なう場合、リアクションの達成値は−3の修正を受ける。

その他のダメージ
 高所からの落下や自然の炎などキャラクターはさまざま状況によってダメージを受けることがある。
 そのような場合、GMは[1D6+n]でダメージロールを行なってダメージを算出すること。nは基本的には0だが、状況に応じてGMが決定すること。

銃弾の補充
 拳銃やクロスボウなどのように銃弾や矢が必要な武器はあるが、これらの弾薬の補充については特に考える必要はない。必要な量を常に持っているとする。ただし、特別にルールで決まっている場合はその限りではない。

 

■攻撃の射程距離について

 攻撃タイプの射程距離は特に定めは無い。もし射程距離が必要な場合は、攻撃タイプ/白兵の場合は0m〜1m、射撃の場合は20mとして扱う。

 

 


直リンクで飛んで来た方はこちらをクリックするとフレームが現れます。