シナリオフック

 

1・失われてゆくもの

 

生徒数の減少から廃校となり、取り壊される事になった中学校。その工事の前日、有志のOB達が集まり、思い出の校舎に最後の別れを告げます。

 しかし翌日。取り壊しの工事が始まると、その瓦礫が寄り集まって巨大な「ダスト・ドラゴン」となり、工事現場の人たちを襲い始めたのです。

消えたくない。

思い出になんかされたくない。

 それは、まるで血の涙を流すような「校舎」自身の咆哮でした。

2・魔法薬の材料探し

 

妖精赤十字で作っている魔法薬の材料にするため、PC達はある魔物の角を取ってくる事を依頼されます。

 その魔物は、郊外の森の中にこの時期発生する種類のもの。ブッシュ・ド・ノエルの許可も得て、早速PC達は森へ入ります。しかしやはりと言うべきか…森は途中から「ダンジョン」と化し、魔物の捜索は難航を極めるのでした。

3・スリラー;ネクロマンシー・ウィズ・ゾンビダンサーズ

市内の墓地で夜な夜な大勢のゾンビがダンスを踊っている。騒がしいので何とかしてくれ―――という苦情が市役所に寄せられます。

調査に赴いたPC達は、そこで大音量の音楽をバックに一糸乱れぬダンスを踊るゾンビ達に遭遇。その音楽の出所である古びた納骨堂が、異空間の古城に通じている事を突き止めます。

 そこは、最近街で評判のインディーズ・ロック・バンド「ネクロマンシー」達の自宅でした。彼らの音楽につられて出現する大勢のアンデットたち。果たしてこれは何かの陰謀なのか?それともハタ迷惑な偶然なのか?とにもかくにも、PC達は「ネクロマンシー」達の音楽を止めるため、死者の巣窟と化した古城に挑みます。

4・亡霊を装いて戯れなば、汝亡霊となるべし

郊外に佇む廃墟となった病院で、不気味な少女を見た―――という噂が広まります。

その病院は元々有名な心霊スポットですが、その「少女」が数日前から行方不明になっているクラスメイトに似ている…という情報が持ち上がった事から、PC達がこの事件に関わります。

しかし、やがて発見される彼女が書いた小説。その内容は、少女が霊のふりをして病院に入り込む人たちを脅かす、というものでした。

 この事件は彼女の悪戯なのか?彼女は霊の「ふり」をしてあの病院に隠れているだけなのか?それとも…?

5・百鬼の穴ぐら

 

街の繁華街に、突然数百匹のゴブリンが出現!居合わせた能力者達が応戦しますが、そのあまりの数にどんどん被害が広がっていきます。

原因は、おそらく繁華街のマンホールの一つが「ウサギの穴」となってゴブリンの巣に繋がったこと。しかしこの混乱で情報は錯綜し、一体どこのマンホールがそうなのか誰にも分かりません。

街は今もゴブリンで溢れかえっています。

 あなたはどうにかしてその「ウサギの穴」を閉じ、一刻も早く事態を収拾しなければなりません。

6・ 朝のホームルームまでに脱出しないと、俺の皆勤賞がッ!

朝、 (大きいほうの)用を足してトイレから出たとき、そこは日の光も届かぬ深い森の中でした。

ヤバイ!ウサギの穴だ!

朝の忙しい時に何て間の悪い!このままでは学校に遅刻してしまう!

 現実世界への出口を探して、今、一つの冒険が幕を開けます。

7・世界樹の迷宮

 

郊外の森に「世界樹」が遊びに来ている。一番最初に彼を見つけた人に、死者をも蘇らせる万能薬「世界樹の葉」が与えられる…という噂が流れ、時を同じくしてそこは余人の侵入を許さぬ広大な異界のダンジョンと化してしまいます。

果たして噂は本当なのか?

 多くの能力者達がパーティを組んでこの難関に挑んでいくなか、PC達は敵性組織「九嶺会」がこの迷宮に侵入し、世界樹そのものを狙っているという情報を聞きつけます。

8・次元の穴注意報

 

 秋は山菜取りの季節ですが、この時期、森は大勢の遭難者を出します。

 今日も今日とて、あなたの祖父母が山菜取りに出かけたまま夜になっても戻りません。おそらく下山の途中でウサギの穴にでも落ちたのでしょう。あなたは仲間と共に、異世界に遭難した祖父母の救出に向かいます。

9・電子の悪魔

 

オフィス街のビルが、突然その上半分を真っ黒な球体で覆われます。

ソリタリアの能力「固有領域」―――。ソリタリアの打倒と飲み込まれた人の救出の為に、Airs Lockや市役所魔法課が動き出します。しかし彼らの行く手を阻むように、異界化したビルのセキュリティが牙を剥きます。

探索が進むうち、彼らはそのビルに入っていたあるコンピュータ・ソフトの開発会社が「魔法能力を備えた人工知能」の開発を行っていた事を知ります。

そう。このビルのセキュリティを乗っ取り、異界化させているのは、彼らの創り出した「電子妖精」とでも呼ぶべき存在だったのです。

10・世界の果てより来るもの

 

ある学校で、妖精の少女が行方不明になります。

家出でもしたのか、はたまた、どこかでウサギの穴にでも飲まれたのか…。奇妙に非協力的なクラスメイト達のために捜査は難航しますが、ある証言によってその少女が不良グループからいじめを受けていた事、そして何と失踪した当日、彼らの運転する車で「街の外」に連れ出されていた事が発覚します。

 妖精にとって、街を出る事は存在の消滅を意味します。不良達の悪ふざけによって無理矢理その禁を犯した少女は、一体どれほどの恐怖と苦悶の中でこの世を去って行ったでしょう?

 しかしその時、街の外へと続く道路の途中で、強大な闇の魔力が発生します。生への執念と不良たちへの憎悪で命を繋いだ少女が、恐るべき魔王と化して帰還を果たしたのでした…。

11・イシノート

 

ある小学校で漫画「デスノート」を真似た遊びが流行ります。

嫌いな人の名前をノートに書く。ただそれだけの他愛無い遊び。しかしある日、その学校で数名の生徒が突然「石化」する事件が起きます。

調査に乗り出したPC達は、敵性組織「九嶺会」が『名前を書かれた人間を石にする呪いのノート』を売りさばいている事を突き止めます。果たしてノートは今誰の手にあるのか?学校全体を巻き込んだ捜索劇が幕を開けます。

12・残されし者たちの狂想曲

 

宿曜会の4家が管理している4色の「結界石」の1つが、何者かによって破壊される事件が起こります。

この石は、数百年前にこの世界に多くの魔物を送り込んだ「魔界」の入り口を封じた要石。もし4つ全てが破壊されれば、その時は街全体が魔界に沈むことになります。

石の防衛と、「敵」の打倒に乗り出すPC達。

 そして事件の裏に、かつてその世界からこの街に送り込まれ、今や帰る手立てを失った次元の難民「レムナント」の組織がある事を突き止めます。

13・命を弄ぶ者達

 

ブッシュ・ド・ノエルで保護を呼びかけている希少な妖精・「ユニコーン」が、アンダーグラウンドで密売にかけられるとの情報が入ります。

暗躍する邪悪な魔法使い達の組織「ウロボロス」

ユニコーンを奪還するべく裏の競売場に潜入するPC達。しかしそれを待ちうけていたウロボロスの罠によって、PC達は戦闘用に改良された強力な魔物達と戦う事になります。

14・幻影恋愛奇譚

 

悪霊の少女(ソリタリアの能力を持つ幽霊)にとり憑かれ、衰弱していく少年。

しかし彼は自身をとり殺そうとする少女に恋しており、彼女を払おうとする人たちを頑なに拒絶します。

 少年を救い、かつ少女を「改心」させるにはどうすれば良いのか。最善の結末を模索して調査を進めるPC達は、その少女が悪霊となるきっかけとなった、20年前の未解決事件に突き当たります。

15・せめて、最後まで

 

 市内のコンサートホールで、オーケストラ用の楽器たち(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ヴァイオリン各2、ティンパニ、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1)がひとりでに演奏を始めます。

それ自体は良くある話なのですが、今度のケースは何故かいつも曲の途中でヴァイオリンがミスをするため、その度に初めから繰り返して一向に演奏が終わりません。

その原因の調査を依頼されたPC達は、数十年前にそのヴァイオリンを愛用していた老人が、練習中に急死していた事を突き止めます。

16・血塗られた憧れ

 

 ミスリルクラウンが管理している倉庫から、あるマジックアイテムが盗まれます。

それはかつて名も無き魔法使いが「女神のかけら」を模倣して作った失敗作。

そして時を同じくして、夜の街で通り魔殺人が相次ぎます。

 犯人は女神のかけらの力に憧れ、盗みを働いた少年でした。しかしその些細な出来心は、取り返しのつかない罪を彼に植え付けたのです。

 多くの流血に汚れた少年の心が、さらなる闇へと落ちていくのはあまりにも必然でした。

17・幽霊海賊船、出現!

 

 ある気持ちの良い昼下がり、公園の広場に、空から17世紀の巨大なガレオン艦が降って来ます。

しかもどう見ても幽霊船。船からは不気味な魔物たちが這い出し、周辺の住人達へと危害を加え始めます。となれば、最早放っておけるはずもありません。

 魔物たちは、その幽霊船を拠点にして「誰か」を探しているようでした。それが数年前、彼らの魔の手を逃れてこの街に逃げ込んだ「ある少女」である事を、PC達は知る事になります。

18・エルディナ国物語

 

 古い絵画「エルディナ国」は、1年に一度、たった2日だけ剣と魔法のファンタジー世界・エルディナ国へと通じます。

 一年ぶりの開通に集うPC達。向こうの世界の友人達―――特に今年16歳の誕生日を迎える王女クリスティナとの再会に、PC達は意気揚々と異世界への旅路につきます。

 しかし一年ぶりに訪れたエルディナ国は、悪大臣・コンドラチェットの謀反によって国王は殺害され、彼が召喚した悪魔の兵士によって恐怖のどん底に突き落とされていたのです。

 唯一の希望は、大臣によっていずこかに幽閉されている王女クリスティナ。果たしてPC達は、ウサギの穴が閉じる2日後の朝までに王女を解放することができるのでしょうか?

19・約束の桜

 

 住宅街に立つ樹齢120年の桜の樹が、老衰で倒木の危険が高まったために切り倒されることになりました。しかし伐採業者が作業を始めたとたん木が「固有領域」の魔法を発動し、周辺の宅地を住人もろとも飲み込んでしまいます。この事態に市役所魔法課を中心とした大規模な掃討作戦が開始されます。

 時を同じくして、PC達は「約束の桜」を探す異世界からの旅人と出会います。

「私は100年前にこの街を訪れた時に、ある桜の木と再会を誓い合った。だがその木がいまどこにあるか分からないのだ」

 ―――それは、まさしくその桜。

 しかし彼らが再会を果たすには、まず市役所の掃討作戦を出し抜き、暴走する桜の魔力を堰き止め、飲み込まれた多くの住人達を救出しなければならないのです。

20・望郷の乙女の像

 

 美術館で開催されている、この街出身の彫刻家の作品展。そこに展示されていた「乙女の像」が、なんと妖精化して逃走する騒ぎが起きます。

 PC達はその追跡を依頼され、故人である作者の生家やかつてのアトリエを探します。やがて発見された「乙女の像」は、自分の生みの親が暮らしていたこの街で自分も暮らしたいと言います。しかし現在の持ち主は彼女を手放そうとせず、無理矢理捕まえて街の外へ運び出そうとします。

 石像が妖精化するのは、この街だからこその奇跡。もし連れ出されてしまえば、彼女はただの石像に逆戻りしてしまうでしょう。

21・マントヒヒ・パニック

 

 ある新米魔法使いが面白半分で作った魔法薬が、どこでどう間違ったか市内の小学校の給食に混入し、それを食べた生徒・教職員が全員マントヒヒになってしまいます。

街中が上へ下への大騒ぎになるなか、PC達はその新米魔法使いを捕らえますが、案の定と言うべきか彼は解毒剤を作る知識も実力も持っていませんでした。

果たしてマントヒヒとなった人々の運命は?

22・背徳の錬金術師

 

 街で連続して「首無し死体」が見つかり、猟奇殺人として大騒ぎになります。事件の真相解明に挑むPC達は、「ウロボロス」と名乗る邪悪な魔法使いの集団が、人に「竜化(ドラゴナイズ)」の呪いをかけて首を切り落としている現場に遭遇します。

 竜の生き血は伝説の「賢者の石」を作るための材料とされており、彼らは人間を竜に変えるという非道な方法で、その材料を集めていたのです。

 怒りに燃えるPC達。しかし彼らの前に、ウロボロスが作り出した不完全ながら凄まじい魔力を持つ「賢者の石」が姿を現します。

23・神の槍

 

街の美術館で開催された「古代ケルト展」―――。そこに出展された発掘品の一つが、何と神話に名高い魔の槍「ゲイ・ボルグ」であるという情報が飛び込んできます。

調査に訪れたPC達。しかし一歩違いで槍は何者かに強奪されており、しかもその犯人が過激な抗争を繰り返す暴走族のチームらしいことが発覚します。

 その槍は、外の世界なら単なる骨董品です。しかしこの街で本来の力を取り戻しているとすれば、それは一たび放たれれば30人を殺すと言われる神話の槍です。不良達の抗争が虐殺に変わる前に、 そして神話の英雄の遺品がこんな馬鹿げた事件で血に染まる前に、一刻も早く取り返さなければなりません。

24・不幸のセールス

 

 昼日中の民家に現れる黒づくめのセールスマン。その「いりますか?いりませんか?」という問に「いります」と答えると「カオス・シード」の呪いをかけられ、「いりません」と答えると大量の血をバラ撒かれる―――という事件が起こります。

 事件を調べるうち、PC達はその被害者達が最近出産を経験した母親であること。そして彼女達と同じ病院に入院していた女性の一人が数日前から行方不明になっている事を知ります。

 彼女の出産は死産であったとも、それが担当医師の単純な医療ミスだったとも…生まれはしたものの「取替え子」だったとも言われており、とにもかくにも、PC達はその行方を追うために奔走します。

25・星に願いを!

 

 ある日、突然魔法能力を開花させた人間や巨大化した魔物、異常繁茂する魔法植物などによって街じゅうが大騒ぎになります。

 そしてその原因が―――昨夜、街のあちこちに落ちた流れ星なのでは?という噂が広まるにつれ、騒ぎは次第に「流れ星争奪戦」の様相を呈していきます。

「流れ星には本当に「願いを叶える」パワーがあるのでは!?」

 ある者は期待から、ある者は野望から、またある者は好奇心や単なるノリで―――。流れ星を巡るバトルロイヤルに、街じゅうがお祭り騒ぎです。

26・終末の夢

 

 宿曜会に連なる名家・小駒(ここま)家には、100年以上前から眠り続けている祈(いのり)という少女がいます。

 彼女は夢によって未来を見通す「夢見」と呼ばれる能力者で、かつてその力を怖れた何者かによって「記憶」を砕かれ、以来決して目覚めぬ眠りの中にいるのだと伝えられています。

 彼女の記憶は 無数の欠片に砕かれ、この世界、「夢見の石」と呼ばれる結晶と化して平行世界も含めたあらゆる次元に散らばっているとか。その全てを集めた時こそ彼女は目覚め、それまでに見通した「未来」のことを語ってくれるに違いありません。

 そしてそれは、この世界の終末の姿だと言われています。

27・ドタバタ料理バトル!

 

 エリンネット主催で、魔法植物や魔物の肉などを使った料理勝負が開催されます。10plates!のリスナーとして、夏樹姉妹の友人として、あるいは賞金目当てで出場するPC。

 ルールは簡単。制限時間内に街中の知り合いやダンジョンから「食材」や「レシピ情報」を集め、どれだけ凄い料理を作れるか。しかし出場チーム同士のバトルや食材の暴走などでイベントは大混乱。リタイヤ続出。

 しかも終盤、あるグループの作っていた料理が巨大な魔物となって動き始め―――!?

28・異世界観光

 

 この街には、主に街を出て行けない妖精達をターゲットにした「異世界を巡る観光ツアー」というものがあります。

 要するに次元を渡るバスに乗って、他の世界の観光名所を見て回るツアー。PC達は知り合いの旅行会社が企画した新しいツアーのモニターを頼まれ、二泊三日の予定でそれに参加します。

 しかし。

 次元を渡る最中にバスのエンジンが故障。辛うじて不時着した先は見たことも無いジャングルの中でした。

 襲い来る魔物。

 そして人食い人種(全員「アデプト」扱い)たちとの遭遇。

 バスのエネルギーを得るため、同乗していた旅行会社のスタッフ達は人食い人種たちが祀る魔法石「パレンケストーン」を奪う事を企図します。

29・夢幻のダンジョン

 

 何処にあるのか謎だけど、誰もがみんな知っている能力者の修行場。それが「夢幻のダンジョン」です。

 「夢幻のダンジョン」は変則的なダンジョン探索シナリオです。 

・イベントデッキはトランプ52枚+ジョーカー1〜2枚全てを使います。

・エネミーを1体倒すごとに1点の「修行点」を得、シナリオ終了時にその10分の1(端数切捨)が経験点としてPC全員に与えられます。修行点が22点なら全員に経験点2点です。

 なお、このダンジョンは探索レベルがありません。PCが行うダンジョン探索の成功数はその都度記録し、最終的に彼らが探索に見切りをつけて脱出したとき、その累計が「到達深度」になります。

 現在、この「夢幻のダンジョン」の最高到達深度は200です。頑張ってハイスコアを目指して下さい^^ゞ

30・奇跡ノ終ワリ

 

数年後、あるいは数十年後のある日、遂に世界から全ての魔法が消え去る時がやって来ます。街の中心部には妖精達の理想郷「ティル・ナ・ノグ」への入り口が開き、大勢の妖精・魔法使い達が移住を始めます。

 そんな中、それを認めない過激な魔法使いや能力者達が「世界の魔法を復活させる大儀式」を始め、その生贄と称して大勢の妖精や能力者がさらわれて行きます。

最後の聖地が地上から消え去る日―――守るべきものを見失った人々と、終わっていく奇跡を見守ろうとする人々の、最も悲しい戦いが始まります。

 


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